インビザラインの治療について

矯正で感じる痛み

 「矯正中に感じる痛み」とは大きく分けて、「歯が動く際の痛み」「矯正装置が口の中に当たる痛み」のふたつがあります。マウスピースではそのどちらの痛みも少ない特徴があります。また、症状によっては歯並びが原因で出る痛みもありますが、マウスピースは装着することでその問題にも対応できます。

 冒頭でも述べた通り、矯正中に感じる痛みは原因別でいくつかに分けることができます。

歯が動く痛み

 矯正治療では、使用する矯正装置がどのようなものであれ、歯を動かしていく際の原理は変わりません。
 矯正治療では歯に人為的な圧力を加えることで、歯槽骨(歯が固定されている部分)に変化を与えていきます。力を加えられた歯槽骨は徐々に溶けていき、歯が動きます。また、歯の進行方向と逆の歯槽骨では歯が動いた分を補うように骨が作られていきます。矯正治療で感じる痛みはこの「細胞が壊れ・再生する」際に起こる痛みです。
 痛みはずっと続くわけではなく、主に矯正装置を付けてすぐの時期や矯正装置の調整を行った後にこの痛みが出ますが、しばらくするとほとんど痛くなくなります。

矯正装置が当たる痛み

 表側ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤを歯の表面に設置していきます。そのため、装置が常にほおの裏側や唇にあたって切ってしまったり、絶えず口内炎ができたり…と口腔内の傷が絶えない方もいます。薬による対処や慣れによってこの痛みも軽減はされていますが、辛いことは確かです。

痛みに配慮した
マウスピース型矯正

  1. 最小限の動きで痛みを少なく

     矯正のため歯をうごかしていくことはマウスピース型矯正も他の矯正方法と変わりませんが、その動かし方で痛みに差があります。大きな力をかけ、動かす距離が大きくなれば痛みも増えますが、小さな力でわずかに動かしていけば感じる痛みも小さくなります。
     マウスピースはおよそ2週間に1回新しいものに交換します。この際に歯を動かす距離はわずか0.25mmです。これらのマウスピースはコンピュータ上での正確なシミュレーションをもとに作られており、最小限の動きで理想の歯並びが実現できます。1回ごとの動きが少ないために、歯の移動に伴う痛みも少ないのです。

  2. 矯正装置が当たる痛み

     マウスピースをご覧になると分かりますが、マウスピースは薄いプラスチック製で歯を滑らかに覆うようにできています。金属のブラケットやワイヤは口腔内を傷つける恐れがありましたが、マウスピースではその心配がほとんどありません。
     そのため、矯正中の痛みのひとつであるお口の中の傷や口内炎の痛みは、マウスピースによる矯正治療では限りなく少なくなります。